BB配信、テレビ番組に相乗効果?


テレビ番組をブロードバンド配信すれば、広告主が咽から手が出るほど欲しい若者視聴者を引きつける効果があるとする調査結果が発表された。ニールセンと有力メディア・リサーチ会社「スカーボロー・リサーチ」の合同調査の結果で明らかになったもので、番組をインターネット配信してもテレビ本体の視聴率を侵食しないばかりか、むしろ視聴率アップに役立ち、相乗効果をもたらすことも浮き彫りとなった。

プライムタイム番組のブロードバンド配信を積極的に展開し始めたネットワーク首脳陣にとって吉報となったが、CBSネットワークが同時期に発表した調査でも、「ブロードバンドの頻繁な利用者のプライムタイム番組視聴時間が、通常の視聴者よりも上回っている」ことが判明し、ブロードバンド利用者がネットワークにとって重要な視聴者として位置づけられそうだ。

また、ブロードバンド・ビデオの利用者は高学歴を持った若年層が目立ち、3割近くが年収10万㌦(約1,200万円)の高額所得者であることも明らかになった。さらに同調査では、2005-06年シーズン全般にわたる米国人のテレビ視聴時間が、一世帯当たり平均8時間14分と、これまでの最高記録となったことも明らかになり、合わせてネットワーク関係者を勇気付ける結果となった。

米国では、ABCネットワークの医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」やNBCのSFドラマ「ヒーローズ」などの人気プライムタイム番組が放送直後にブロードバンド配信され、パソコンやアップル社製の携帯音楽・画像プレイヤーiPodなどにダウンロードすることが出来ることから若者の間で人気を博している。

ところで、ブロードバンド上で流されている動画CMは早送りが出来ないことや、双方向性を取り入れた新型CMの展開も可能なことから、ニールセンではブロードバンドが広告主にとっても新たな重要媒体となる可能性を秘めているとしている。