CBS、CNN買収に意欲


CBSネットワークなどを傘下に置く米メディア企業大手「CBSコーポレーション」がCNNテレビの買収に興味を抱いている模様だ。同社の株主総会が5月30日、ニューヨークで開かれたが、筆頭株主で会長職も勤めるメディア王サマー・レッドストン氏とレスリー・ムンベス社長兼最高経営責任者が場内からの質問に答え明らかになった。

ハリウッドレポーター誌によれば、レッドストン会長が、「CNNはCBS傘下に入ったほうがもっと成功する」と答えれば、ムンベス社長も、「もしタイムワーナーがその気なら(CNN買収に)非常に興味がある。できることなら是非CNNを所有したい」と追随した。

CBSは以前から取材協定などを通じてCNNに触手をのばしてきたが、一連の交渉は不発に終わったものと捉えられていた。それだけに、今回の両首脳の発言、特に買収の可能性にまで言及したことで、「CBSはまだCNNを諦めていない!」(バラエティ誌)などと業界内に波紋を投げかけている。しかし、タイムワーナー広報は「CNNを売却するなんてあり得ない。タイムワーナー傘下で非常にうまく行っている」ときっぱり否定している。

ところで、株主総会当日は同社の株価が史上最高値を更新し、業績を報告したムンベス社長は満場から喝采を浴びた模様だ。ムンベス氏は、デジタルメディアへの積極的な取り組みを約束しながら、「引き続き成長へのレールが敷かれている」と述べ、既存メディアの終焉説などを一蹴した。

ちなみに、バイアコムは昨年1月、ケーブル局や映画会社などを統括するバイアコムと、ネットワーク・テレビや出版社などを傘下に置くCBSコーポレーションの2社に分割された。