CBSと印リライアンスが合弁会社設立へ


 米メディア企業CBSがインドのコングロマリット「リライアンス・ADA・グループ」と新しいテレビ局創設のための合弁会社を設立する動きが出ている。米経済紙ウォールストリート・ジャーナルによれば、合弁会社は両社が50%づつ出資、来年1月の放送開始を目指しているという。英語とヒンディー語の番組を放送する複数のチャンネルを立ち上げることになりそうだ。


テレビ視聴者数が5億人(米コンサルティング会社KPMG推計)にも達するとされるインドは、米メディア企業が注目する最重要海外市場の一つ。2003年に120だったチャンネル数は、昨年には460に急増しているという。同市場にはすでに、ウォルト・ディズニー、ニューズ・コーポレーション、タイムワーナー、バイアコムといった、ネットワークテレビやケーブル局を傘下に置く米巨大メディア・娯楽企業が進出しておりCBSコーポレーションは遅れをとっていた。


新チャンネルでは、まず手始めにCBSネットワークの人気コメディー番組「Two and a Half Man」や「How I Met Your Mother」、さらには同ネットワークの看板番組となっている犯罪捜査ドラマ「CSI:科学捜査班(邦題)」などを放送するが、両社の共同制作によるオリジナル番組(ヒンディー語)も視野に入れているという。ニュース専門チャンネルの創設は構想にない模様だ。同社では将来的に、テレビ放送ばかでなく、ラジオ局やCBSコーポレーションが得意とする屋外広告などの事業展開でも協力していく考えだ。


リライアンスは、金融、通信、メディア、電力など幅広い事業を展開しているコングロマット。海外への事業展開も積極的に取り組んでおり、09年には映画監督スティーヴン・スピルバーグ氏率いる映画会社「ドリームワークス」に対し3億2500万㌦の出資をしたことでも知られる。