CBS夕方ニュースが不振のどん底


米CBSネットワークの夕方のニュース「CBS Evening News with Katie Couric」が不振のどん底に落ち込んでいる。ニールセン社によると、9月3~7日の平均視聴者数は550万人を割り込み、1987年以来の最低視聴率と並ぶ記録となってしまった。一年前のピーク時の半数となる落ち込みようだ。同週は、視聴率稼ぎのパフォーマンスなどと一部の批判を受けながらも、同番組のキャスター、ケイティー・クォーリック氏がイラク・シリア両国入りし、現地取材を決行。タイミングよくバグダッドを電撃訪問したブッシュ大統領との単独インタビューにも成功したが視聴率にはつながらなかった。

CBSの報道部門担当社長のショーン・マクマナス氏は、「キャスター戦地入りが視聴率アップにつながると期待をしていたわけではない。視聴率は予想通りのもの。CBSではクォーリック体制に長期的にコミットしており、彼女の中東取材もその一環だ」と弁明している。クォーリック氏は、ちょうど昨年の今頃、ライバル局NBCから引き抜かれ、単独としてはネットワーク史上初の女性キャスターとして登場。年俸が推定1,500万㌦(約17億円)と破格なこともあり、米テレビ界の話題を独占した。

米市民がニュース源のよりどころとする3大ネットワークの夕方ニュース(米東部時間午後6:30-7:00)は、アンカーと呼ばれる番組のキャスターに市民から絶大な信頼が寄せられるなど別格の番組。これまでキャスター席は白人男性の独壇場で、「やはり女性には向いていないのでは」などの意見が物議をかもし出している。