CM認知度はオンライン・ビデオに軍配

米国ではオンライン・ビデオ人気がすっかり定着した感があるが、番組配信に伴って挿入されるCMの有効性に高い評価が下った。米広告調査協会(ARF) がこのほど行った調査によれば、インターネット上で配信されるテレビ番組に挿入されるコマーシャル(以下、オンラインCM)に対する認知度がテレビCMのものを上回るという結果が出た。


具体的には、どんなCMだったか放送後に想起できるかどうかを問う、「ゼネラル・リコール度」で、オンラインCMが65%だったのに対し、テレビCMは46%だった。ブランド名や商品名を想起できるかどうかを試す「ブランド・リコール度」は、オンラインCMが50%、テレビCMが28%。また、「メッセージの内容を覚えていたかどうか」については、オンラインCMが39%に対しテレビCMが21%。さらに、好感度ではオンラインCMが26%だったのに対し、テレビCMが14%と、いずれもオンラインCMに軍配が上がった。特にブランド名想起は、13~34歳の若者視聴者の間で顕著な差がついた。


オンラインCMの優位性には、①インターネット上の番組視聴が、まだ比較的新しいものであることから、オンラインCMに対しても好奇心を持たれている②ネット利用者は一般的にコンテンツに対し注意を払う傾向が高い③オンラインCMは飛ばし視聴ができない、などが背景にあるようだ。また、通常、オンラインCMはそれぞれが30秒以内、1時間番組に流されるCMの長さは合計4分ほどと短いことも、有利に働いている。テレビCMの場合は、1時間番組で少なくとも15分間のCMが挿入されるのが現状。テレビ局には「CMが多すぎる」との苦情が寄せられるケースが少なくないようだ。

ちなみに、ニールセンによれば、今年3月のオンライン・ビデオのユニーク・ビューアー数は昨年同月比1.3%増となる1億3174万だった。同月のストリーム数は90億件を越えている。