CM飛ばし視聴率は内容次第


米国でDVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)などと呼ばれているHDD内蔵型レコーダーの代名詞になっているティボ(TiVo)社がこのほど、DVR視聴状況に関する新データを公表した。それによると、番組内のCMを飛ばし視聴している人の数が66%にも上ることが分かった。また、同社サービス利用者の57%が、地上波ネットワークがプライムタイム(米東部時間20:00~23:00)で放送している番組を、タイム・シフト視聴していることが明らかになった。ケーブル局の番組を含んだ場合、タイム・シフト視聴は全体の36%、CM飛ばし率は約50%と若干下回る。ちなみに、タイム・シフト視聴とは、DVRなどを利用し、「見たい番組を見たい時に」視聴する方法。

CM飛ばし率の高さについては、広告主・放送事業者双方が恐れていた結果となったが、ティボ社ではCMが一様に飛ばし視聴されているわけではないことを強調している。調査結果によれば、12歳以下の子供をかかえる世帯では、玩具のCM視聴率が、他世帯よりも22%高く、50歳以上のシニア世帯では選挙CMの視聴率が他世帯よりも15%高いことが判明した。ティボ社の視聴率測定部門担当のトッド・ヨンガー副社長は、「DVRユーザーは、ランダムにCMを飛ばしてしまう、というイメージが間違っていることが証明された」と調査結果を分析している。

ティボ社は同社が提供するDVRの双方向性をフルに活用、加入者の視聴状況を秒刻みで分析する「PowerWatch(パワーウォッチ)」と呼ばれる新サービスを立ち上げている。調査は同社加入者の中から承諾を受けた世帯2万軒と大きなサンプル数が分析され、同社ではデータの正確性を強調している。