CNN、10年1Qの視聴率が悲惨な結果

?米ニュース専門局CNNテレビがスランプに陥っている。特に広告収入の要、プライムタイム枠の番組の視聴率が悲惨な状況で、今年1-3月期の同枠の番組の視聴率が軒並み前年同期比半減している。同期には、ハイチやチリの大地震といった本来ならCNNが強さを発揮するニュースがあったにもかかわらず、低調な結果に終わってしまった。一方、保守系ニュース専門局Foxニュース・チャンネルは同期、四半期ベースでは過去最高視聴率を記録し一人勝ちの様相を呈している。こんなCNNの苦悩ぶりを、ニューヨーク・タイムズ紙は、「視聴率の急激な下降傾向に歯止めがかからない状況に陥っている」と評している。


プライムタイムの番組を見ると、看板トーク番組「ラリー・キング・ライブ」(米東部時間午後9時)が特に不調で、同期の視聴者数は77万1000人と、前年同期比43%もの減少。


また、もう一方の看板番組「アンダーソン・クーパー360°」も不調だ。同番組の視聴者数も前年同期比42%減少したほか、報道番組で広告主が重要視する視聴者層(25~54歳)の視聴者数は、前年同期比46%とさらに落ち込んでいる。


CNN首脳陣は、「プライムタイムの司会者の交代は考えていない。編成方針(中立報道)にも何らの変わりはない」と強気の姿勢を崩していない。しかし、専門家からは、「CNNには新しいアイデンティティーが求められている」(ニューヨーク大学ジャーナリズム科、ジェイ・ローゼン教授)、「より個性的で、はっきり物事が主張できる大物司会者を登用するべきではないか」(バニティー・フェア誌編集委員、マイケル・ウォルフ氏)などと、抜本的な改革を呼びかける声が続出している。