CNN.comがローカル・ニュース強化

米CNNテレビはこのほど、同社のホームページ、CNN.comと全米70のローカルテレビ局のウェブサイトを運営する「Internet Broadcasting」社が、お互いにコンテンツを交換するバーター契約を結んだと発表した。海外ニュースと全国ニュースで知られるCNNがローカル・ニュースを強化する戦略の変化とも取れるが、背景にはCNN.comへのヒット数を増やし、オンライン広告収入を確保したいとの思惑があるようだ。

オンライン広告は特にローカル市場向けが急増中で、過去2年間に倍増の勢い。米調査会社「ボレル・アソシエイツ」によると、2006年にはこうした広告費は57億㌦(約6,840億円)規模に膨らんでいる。

同業務提携で、CNN側はローカル局が取材・制作したニュース映像や記事を自由に掲載できる一方、ローカル局もCNNのニュースを自社サイトに掲載することが出来る。CNNではローカル局のホームページにログインした人が、CNN提供のニュースを通して逆にCNN.comに多量に流れ込んでくると期待している。

ニュース・サイトはインターネット上最も人気のあるサイトの一つ。NBCとマイクロソフトが共同運営するMSNBCが長年にわたりトップサイト。今年4月のユニーク・ビジター数は3,310万件だった。ヤフー・ニュースが2位につけているが、同月ユニーク・ビジター数は3,310万件とMSNBCと並んでいる。CNN.comは3位、2,790万件だった。

なお、CNNは今回の業務提携を機にInternet Broadcasting社の小額の株式を保有することになった。