CNN「Pモーガン・トゥナイト」が好スタート

 米CNNテレビのプライムタイム視聴率を支えてきた看板トーク番組「ラリー・キング・ライブ」は昨年12月中旬、四半世紀以上の歴史にピリオッドを打ったが、その後継番組「ピアース・モーガン・トゥナイト」が17日夜デビューした。初回は、米国で圧倒的な人気と影響力のあるテレビ番組司会者兼プロデューサー、オプラ・ウィンフリーさん(写真左)をゲストに迎えたこともあり、視聴者数はラリー・キング末期の平均視聴者数65万7千人を大幅に上回る約210万人と、CNN首脳陣にとっては願ってもない好調なスタートとなった。


しかし、番組に対しては、「ウィンフリー氏にへつらうような内容で、退屈だった。番組は事前収録されたもの。ニュース性に欠け、ダイナミックなトーク番組とはかけ離れたものだった」(ワシントン・ポスト紙)などと辛口の批判も出ている。 また、広告業界誌「アドバタイジング・エイジ」によれば、同番組のCM料金は当面、視聴率が低迷した末期のラリー・キング・ライブとほぼ同様な価格で取引されている模様。新番組は通常より多くの視聴者を引き付けるため、CM価格が高めに設定されるのが業界の慣わしで、CNNにとって厳しい門出となったと指摘する声もある。 


CNNはラリー・キング・ライブを中心に、プライムタイム(午後8~11時)番組の視聴率で圧倒的な強さを誇っていたが、ここ数年は、パーソナリティーの強い司会者を起用したFoxニュース・チャンネルやMSNBCに追い越される状況が続いている。同社プライムタイム番組の2010年における視聴者数は前年比34%減と、1996年以来最悪の記録となった。 「ピアース・モーガン・トゥナイト」には、そんなCNNのプライムタイム番組の救世主としての期待がかかっており、番組の行方には業界の熱い視線が注がれている。


同番組はウィンフリーさんに続き、俳優ジョージ・グルーニーさん、コンデリーサ・ライス前米国務長官など、芸能界・政界の大物インタービューを予定しているが、大半が事前収録になるという。


同番組のホストになったピアース・モーガン氏は英国人タレント。英国では一線級のインタビューアーとして知られているようだが、米国ではこれまでNBCネットワークのリアリティー番組「America’s Got Talent」(素人タレント・コンテスト)の審判役を務めた経験があるぐらい。あまり知名度は高くない。