米CNNテレビの国内担当社長ジョナサン・クライン氏はこのほど、同局の朝の帯番組「アメリカン・モーニング」の司会者を総入れ替えすることを発表した。現在同番組のキャスターは、ソリダッド・オブライエンさんとマイルス・オブライエン氏が勤めているが、元CBSニュースのキャスターで、昨年CNNに移籍したジョン・ロバーツ氏とCNNのライバル、Foxニュース・チャンネル(FNC)から移籍したキラン・チェットリー氏が4月16日から登板することになった。

クライン社長はキャスター交代の理由を、「視聴者がCNNに求めているものはハード・ニュース（重大ニュース）。他ニュース専門局がハード・ニュース編成からエンターテイメント要素の強い報道ぶりに変わっている今こそ、CNNの真価を発揮することが出来る絶好のチャンスだ」と説明、キャスター交替と同時に番組の路線変更も示唆している。

クライン氏は、チェットリー氏について、「人目彼女を画面で見れば、なぜ抜擢したか分かってくれるはず」。ロバーツ氏については、「中東紛争やイラク戦争などの取材を通して彼がいかに秀でたジャーナリストであるか証明済み」と述べ、両キャスターに期待感を示している。

「アメリカン・モーニング」はここのところ、視聴率低下に歯止めがかからない状況が続いていた。クライン氏は、「現キャスターの組み合わせが、報道番組にとって最重要視聴者層とされている25～54歳層にしっくり受け入れられなかったようだ」と分析している。

ちなみに、3月の視聴率を見ると、FNCが午前6時から9時に放送している番組「Fox＆フレンズ」の平均視聴者数692,000人に対し、「アメリカン・モーニング」は376,000人だった。