CNNがHD専門チャンネル開設


米CNNテレビが9月中旬を目標に、HD(高精細度)テレビ専門チャンネル「CNN HD」を立ち上げることになった。映画・ドラマ専門有料チャンネル「HBO」やドキュメンタリー専門局「ディスカバリー」などはすでにHD専門チャンネルを開設しているが、ニュース専門チャンネルがHD専門チャンネルをスタートさせるのは初めて。

ただ、HD化は当面、CNNのニューヨーク支局が制作する朝の情報番組「アメリカン・モーニング」、プライムタイム番組の「Lou Dobbs Tonight」や「Anderson Cooper 360」のスタジオ制作部分に限られる予定だ。独自制作によるドキュメンタリーや特別イベントの制作などもHD対応になが、ワシントン支局発の人気番組「The Situation Room」やCNN本部があるアトランタ・スタジオからの番組などは現行のスタンダード・デジタル(SD)方式で制作される。

CNNの放送技術担当副社長ボブ・ヘスキャンプ氏は、「すべての番組をHD制作していくことが究極の目標だが、一夜にして実現するものではない」と述べ、完全HD化にはまだ相当の時間がかかることを示唆している。ヘスキャンプ氏によれば、HD番組中に放送されるライブラリー素材などはHD素材にアップコンバートされることはなく、これまで通り4:3の画角で挿入されるという。16:9の画角をとるHD画面にL字状の余白が残ることになるが、文字情報などで埋め合わせをする予定だ。CNN HDは当面、衛星放送「ディレクTV」による配信に限られるが、本格的な放送開始は新衛星10基の配置が完了する9月中旬頃になる予定。放送開始後は、週あたり60時間分の番組がHD放送される。