CNNが通信サービスに進出か

米ニュース専門局CNNが通信社業務への進出をうかがっている。関係筋の話によると、CNNは12月初旬にアトランタにある同社本社に全米の新聞社や雑誌の編集長などを招待し、新サービスの内容を説明するとともに新聞社側のニーズを探る予定だ。CNNでは国内大小の新聞社や各社が運営するホームページなどに、ニュース速報をはじめ、国内・海外ニュース、さらには医療や生活情報などをいち早く提供できるとしている。

同サービスが本格的に立ち上がれば、CNNが系列局向けのサービスを提供している「CNNニュースソース」が分担する模様。同部門のジョー・ミドルバーグ副社長は業界誌「Editor&Publisher」(E&P)に同プロジェクトについて、「CNNには世界のニュースを伝える独自の通信網が整っている。3,800人の従業員を抱え、海外支局は22箇所。国内の支局も15箇所にあり、米国内の900のローカル局とも提携関係を結んでいる。他のニュース組織に情報を提供できる基盤が十分備わっていると信じている」と説明している。説明会に出席することを決めたニューヨーク・デイリー・ニュース紙の編集主幹マーチン・ダン氏は、「非常に興味深いアイディアだ。いかなる新サービスも検討する必要がある」と述べている。

米新聞各社は経営を揺るがす不振に陥っており、有力紙ロサンゼルス・タイムズ紙やシカゴ・トリビューン紙などが最近、経費削減のためAP通信との契約を継続しないことを発表したばかり。CNN側は否定しているが、通信社の老舗AP通信やロイター通信のライバル的な存在になることを狙っているという観測も出ている。