DVR利用、テレビ視聴への悪影響見当たらず


テレビCMの飛ばし視聴を助長するとして、広告主やテレビ業界などから敵視されているDVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)に関する新しいデータが発表された。広告代理店大手「インターパブリック」傘下の調査会社「マグナグローブ」によれば、DVRの普及は今後も確実に拡大するものの、その利用度は比較的穏やかなものになるという。


同社によれば、2011年までにDVRの普及率は全米テレビ世帯の35%にまで達するが、DVRを利用した番組視聴は、テレビ視聴全体の4%ほどにとどまる。


また、同調査では、DVRのおかげで一人当たりのテレビ視聴時間が10%増えたことも挙げ、「DVRが、必ずしもテレビ業界に悪影響を与えているとは言い難い」と結論付けている。
一方、広告主がターゲットにしている視聴者層(18~49歳)の19.9%が、DVRをつかってプライムタイム番組を視聴していることも判明。「好きな番組を好きな時に視聴する」いわゆるタイムシフト視聴が若者層の間に浸透し始めていることも浮き彫りになった。


マグナグローブでは、現在、全米テレビ世帯の28%に相当する3200万軒がDVR利用者とされているが、2014年までに42%、5100万軒にまで増大すると見込んでいる。しかし、人口増大にともないテレビ視聴総数も増えるため、DVR視聴数の増加を相殺、テレビ視聴に与える悪影響は増大しないとしている。


なお、DVRの普及は、衛星放送加入世帯で最も進んでいることもわかった。衛星最大手ディレクTVのDVR保有世帯700万軒に加え、ディッシュ・ネットワークでは690万軒となっており、CATV最大手コムキャストの490万軒、第2位タイムワーナーの420万軒を大きく上回っている。