DVR利用者は熱心なテレビファン

米国におけるHDD内蔵型レコーダー(DVR:デジタル・ビデオ・レコーダー)の利用者がネットワークテレビのプライムタイム番組の熱心な視聴者であることが浮き彫りになった。米調査会社ニールセンがこのほど発表したところによると、DVR利用者が録画する番組のほとんどが午後8~11時に放送されるプライムタイム番組。特に各ネットワークが力を入れているヒット作がDVR利用の対象になっているという。しかも、DVR利用者の番組視聴回数は、例えばABCネットワークのヒット番組「グレイズ・アナトミー:恋の解剖学(邦題)」の場合、1ヶ月当たり2.5回と、DVRを保有していない視聴者の2.1回を上回るという結果も出た。


利用者の90%が録画後3日以内に番組視聴していることも判明し、ネットワーク経営者にとって朗報となった。というのも、番組で放送されるCM料金は、高視聴率の番組ほど高額に設定されるが、現在、テレビ局と広告主の交渉では番組の視聴率を計る際に、リアルタイム視聴率に加えDVR視聴率も放送後3日間が加味される例が大半だからだ。


なお、同調査では広告主が警戒するDVR利用者のCM飛ばし視聴については、約56%の人がCMは飛ばしながら番組を見ている(08年11月)ことがわかった。しかし、米調査会社レイクマン・リサーチ・グループでは、DVRが備わっていないテレビ世帯の64%が、「CMタイムは、他のチャンネルにザッピングしたり、テレビの前を離れる」と答えていることを挙げ、「必ずしもDVR世帯のみがCM視聴を怠っているわけではない」としている。

ニールセンによれば、現在、全米テレビ世帯におけるDVR普及率は31%。「所有世帯がほとんどゼロだった3年前に比べ急増している」と指摘している。