メディア利用時間が10年ぶりに減少


インターネット利用の増大に伴い、米生活者のメディア利用時間が減少しているという報告が出た。米投資会社『ベロニス・スラー・スティーブンソン社』がこのほど発表した調査結果によると、米生活者の2006年におけるメディア利用時間は前年比0.5%減となる3,530時間。前年より利用時間が下回ったのは1997年以来初めてのことだ。

同社の取締役副社長ジム・ラザフォード氏は調査結果について、「生活者がメディアに対する興味を失ったのではなく、接触習慣に大きな変化が起こっているからだ」と分析している。同調者によると、ネットワーク・テレビが毎晩放送する30分間の夕方全国向けニュースやニュース専門ケーブル局の視聴時間が減っているほか、新聞を読む時間が減っていて、生活者による既存メディア離れが進んでいる。かわりに、生活者は速報や、簡潔にまとめられたニュースを求めて、インターネットに情報源を求める傾向が高まっており、この辺がメディア利用時間の短縮傾向につながっていると見ている。

一般の番組や映画などもインターネットやHDD内蔵型のレコーダー(DVR:デジタル・ビデオ・レコーダー)などを使って、自分の見たい部分に限って視聴する人が増えているという。若者に人気の深夜のトーク番組『The Daily with Jon Stewart』(コメディーセントラル)は、ケーブル局のオンエア時よりも、YouTube(ユーチューブ)で番組の抜粋を見る若者がむしろ多いといった具合だ。

また同社では、今後インターネットの利用頻度がさらに増え、広告媒体にも大きな変化が生まれと見ており、2011年までにインターネット広告の売上が新聞を超え620億㌦(約7兆4,400億円)に達すると予測している。