HDテレビ、2011年までに1億5千台


世界のメディア市場調査にあたる英リサーチ会社インフォーマ・テレコムズ&メディア社はこのほど、HDテレビの普及率が向こう5年間で飛躍的に伸びるとする予測を発表した。同社の予測によると、現在世界にあるHDテレビ台数は4,800万台。2011年までに約3倍強となる1億5,100万台に達するとみている。同社では、この普及率の増大ぶりを、白黒テレビがカラーに移行した時に相当する画期的なものとしている。

同調査の責任者アダム・トーマス氏は、台数の増加現象の最大要因として価格の低下を挙げているが、一方で「HDテレビで見たいと思う番組が少ないと感じている消費者が多い」ことも指摘し、さらなる普及には番組制作側の努力が欠かせないことを強調している。

HDテレビの所有数を国別で見ると、米国が全体の58%を占めトップ。日本は20%で第2位。この2カ国に英国、カナダ、中国、ドイツの順で続いている。ちなみに、日本が保有するHDテレビ台数は2011年までに2,891万7,000台に達すると予測している。

米国ではアナログ波の停止による完全デジタル化が2009年2月に実施されることが決まっており、各ネットワークなどはプライムタイム番組のHD放送やスタジオ制作のHD化を急いでいる。ただ、視聴者の関心はそれほど大きくないのが実情で、残された2年間でデジタル化をどこまで周知させることが出来るのか、放送事業者などにとって大きな課題となっている。

そんな中、2月4日に開催されたスーパーボウルはCBSによってHD放送されたが、事前にHD専用テレビ250万台が売れたという情報もあり、人気スポーツ番組がHDテレビ普及の牽引車として脚光を浴びている。