HDテレビ人気が拡大も3Dテレビは様子見


HD(高精細度)テレビ受像機が、2012年までに米国のテレビ世帯の四分の三に まで普及。消費者動向などの調査に当たる米調査会社「Opinion Research Corporation」(ORC)がそんな予測を発表した。ORCによれば、現在、HDテレビは全国のテレビ世帯の三分の二にまで普及しているが、向こ う2年間にHDテレビを購入する予定だと答えた世帯が全体の12%に上ったという。


一方、1月上旬にラスベガスで開催された米家電見本市「2010年インターナショナルCES」(以下、CES)で注目された3D (3次元)方式対応型テレビについては、全体の6割が、「3Dテレビを知っている」と答えたが、「向こう2年間に購入するつもり」と答えた人はわずか5% に留まった。ORCの上級副社長、ロバート・クラーク氏は、「不況により、消費者の財布の紐が固くなっている。高級家電製品は、消費者に生活が豊かだと感 じさせる必需品だが、HDテレビで十分だと考える消費者が多いのではないか」と述べ、3Dテレビの高価格に抵抗感があると分析している。


ただ、クラーク氏によれば、3D技術を使った映画作品が増えたり、3Dテレビ放送が普及すれば、消費者の捕らえ方が一変する可能性もあるとしている。米国 では人気スポーツ専門局ESPNやドキュメンタリーなどで知られるディスカバリー・チャンネルなどの有力ケーブル局が3D放送への参入を表明しているほ か、SF大作映画「アバター」が世界興行収入で、歴代最高記録を塗り替えるなど、3D映像への関心が急速に高まっている。

ところで、ORCでは米消費者の間におけるテレビに対するブランド意識も調査したが、ソ ニーを挙げた人が圧倒的に多く、全体の43%。2番人気だった韓国のメーカー、サムスン電子の11%に大きな差をつけた。3位にはパナソニック(5%)が ランクされ、以下、米液晶テレビメーカー「Vizio」(4%)、韓国メーカー「LG」(3%)、東芝、RCA、シャープ(各2%)などと続いた。