HDテレビ普及率が33.3%に上昇

米テレビ世帯でHD(高精細度)対応型テレビの普及が加速している。米調査会社ニールセンがこのほど発表した調査によると、HDテレビを少なくとも1台は所有していると答えた世帯は全体の33.3%に上ることが明らかになった。今年2月に実施された同調査によると、不況経済にもかかわらず、薄型テレビに対する購買意欲はなえる様子がなく、半世紀以上前にカラーテレビが登場した時に匹敵するほどのものだという。2008年の2月には、HDテレビを1台所有していると答えた世帯は全体の19.3%に留まっており、1年間でほぼ倍増したことになる。昨年暮れのクリスマス商戦では、ホームエンタテイメント商品の中で、HDテレビ(薄型テレビ)が人気ナンバーワン商品に挙げられた。


ところで、HDテレビの普及は、アジア系住民で著しい普及率の上昇を見せていることも分かった。同層世帯の普及率は41.8%。逆に黒人世帯では25.9%に留まっている。また、テレビの置き場所については、3分の2の世帯が居間と答えており、2台目を所有している世帯では主寝室に置いていることが分かった。HDテレビを購入した世帯では旧型テレビを地下室や寝室などに据え付けていると答える人が多く、廃棄した世帯を大きく上回っていることも明らかになった。旧型テレビはビデオゲーム機専用として使われる例が多いという。

今回調査を行ったニールセン社の上級副社長、スティーブ・マクグワン氏は、「リセッション下にもかかわらず、米テレビ世帯の間でHDテレビが標準になりつつあるようだ。商品の値下がりに傾向に拍車がかかっていることが大きいが、地上波テレビ放送のデジタル化への移行が一役買っていることも確かだ」と分析している。