HDテレビ視聴世帯は全体の13.7%


米ニールセン社はこのほど、米国におけるHDテレビの普及率を発表したが、これまで全米家電協会(CEA)などが発表していた数字を大幅に下回るもので、業界関係者は困惑を隠しきれないようだ。

ニールセンによると、HDテレビの普及率は13.7%。全米のテレビ世帯数は1億1,280万軒だからHDテレビ世帯は約1,550万件となる勘定だ。また、ニールセンの調査では、保有するHDテレビがケーブルテレビ(CATV)や衛星放送事業者が提供するHDTVチューナーに接続されているか、HDテレビ受信専用の屋外アンテナに接続されていて、実際に少なくとも1つのHD専用チャンネルが視聴可能になっている世帯は全体の11.3%だったとしており、割合がさらに低くなっている。

一方、CEAは今年7月の時点でHD保有世帯数を3,600万軒としており、ニールセンのほぼ2.5倍の普及率を主張している。ちなみに、CEAでは2007年末までに全米におけるHDテレビの販売台数が6,060万台に達すると見込んでいる。

ニールセンが対象にしたHDテレビ世帯は、HDシグナル受信を可能にする専用チューナーを保有している世帯に限っているのに対し、CEAが発表しているHDテレビ世帯は、同チューナーがなかったり、HDチャンネルを受信していない世帯も含まれるため、両者の台数に大きな違いが生じた模様だ。

HDテレビを保有している世帯の多くが実際にHD番組を視聴していないことは、これまでにも業界の共通認識となっている。様々な調査によれば、HDテレビ世帯の4~6割がアナログ放送の視聴やDVDプレイヤーを接続し映画などの視聴に限って利用しているとされている。CEAの調べでも、HDテレビ世帯の中でHD番組を視聴している世帯は44%に過ぎないことが分かっている。

ところで、HDテレビの普及率を地域別で見ると、HD番組受信可能なHDテレビの普及率が一番高かったのがロサンゼルス市。実際にHD番組を視聴している世帯率が高かったのがニューヨークだった。