IPテレビに高い評価


米国におけるテレビ番組再送信市場はケーブルテレビ(CATV)事業者と衛星放送事業者が圧倒的なシェアを誇っているが、サービス内容の満足度では電話会社が提供する光ファイバー回線を利用したIP(インターネット・プロトコル)テレビサービスがナンバーワンに挙げられていることが明らかになった。

米調査会社「チェンジウェイブ・リサーチ(ChangeWave Research)」がこのほど発表した調査結果によると、米電話会社大手ベライゾンが提供するIPテレビ「FiOS:ファイオス」加入者の96%が、同サービスに満足していると応え、他サービスの満足度を上回った。2位には衛星放送最大手「ディレクTV」の82%、これにCATVのコムキャスト、電話会社最大手AT&TのIPテレビ「ユーバース(U-verse)」がそれぞれ73%と続いた。同リサーチ社は、「加入者がCATVサービスに予想以上の不満をいだいていることが明らかになった」と指摘している。

近い将来、サービスを変えたいと思っている加入者は全体の13%を占めたが、そのうちの45%がIPテレビに切り替えたいと応えており、IPテレビ人気が浸透し始めていることが分かる。

米国のテレビ番組再送信市場におけるIPテレビは現在1%にもみたない少数派だが、同サービスが提供するIPテレビの画質が優れているという評判に加え、ブロードバンド(高速大容量)通信と固定電話からなる3サービス一括提供(トリプル・プレイ)の内容が充実していると考える利用者が多いようだ。米コンサルティング会社「プライスウォータークーパース(PwC)」では、IPテレビが今後、年間成長率52.5%を示し、2011年までに1,400万世帯が加入すると予測している。