NBCUがアイチューンズ契約打ち切りか


米メディア企業大手「NBCユニバーサル(NBCU)」はこのほど、今年12月をもって満期となる「アイチューンズ・ストア」との契約を現行のままでは更新しない方針をアップル社に通達した。8月31日付けのニューヨーク・タイムズ紙などが一斉に報道した。アイチューンズ・ストアはアップル社のインターネット配信サービス。音楽を始め、テレビ番組や映画などのダウンロード・サービスで若者を中心に爆発的な人気を博している。もともと音楽配信が中心のサービスだが、最近はテレビ番組も重要コンテンツになっている。

NBCU傘下のテレビ番組「ヒーロー」や「宇宙空母ギャラクティカ(邦題)」などが人気で、番組は1タイトル1.99㌦(約240円)の統一価格で販売されている。 NBCU側は契約更改交渉にあたり、人気番組の販売価格を別途設定する案や番組と映画などを抱き合わせにする一括販売などを提案したが、アップル側は現行制度の堅持を主張して両社の話し合いはいったん物別れに終わった模様だ。

NBCU側はアップル社側のコピー防止機能が不十分だとして、同社傘下の「ユニバーサル映画」の作品提供を見合わせているが、コピー防止策についても合意が得られなかったという。 NBCUは、同社が提供する番組数が、アイチューンズ・ストアが提供するビデオ・コンテンツ全体の40~50%(アドウィーク誌)にも及ぶ大口プロバイダー。交渉に打開策を見出すことが出来なければ、来年以降、アップル側にとって大きな打撃になることは必至。また、アイチューンズで販売される番組は放送への宣伝効果が大きいことからNBCU側が蒙るダメージも少なくないとする声も聞かれ、他ネットワークなどが交渉の成り行きに注目している。