NBCの深夜番組でライブCMが復活


1950年代の米テレビ界で一般的なCM手法だったライブコマーシャルが復活した。HDD内蔵型のレコーダー、DVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)の普及に伴い、CM飛ばし視聴が深刻な問題になっていることを受け、NBCネットワークが6月5日から人気トーク番組「The Tonight Show」で実験的に始めた。

生コマーシャルを採用したスポンサーは、GPS(全地球測位システム)メーカー大手「Garmin International」。同番組のホスト、ジェイ・レノー氏自らが番組中に同社の携帯型GPSモデルを紹介している。6月15日の放送では、週末の父の日を前に、プレゼントのアイディアを面白おかしく紹介するコーナーがあったが、「道順を聞くのは男らしくないと意地を張る方向音痴のお父さんにはうってつけのプレゼント」などと笑いを誘いながら同商品を紹介した。

Garmin社の広報担当テッド・ガートナー氏は、「我々が提供するCMをティボから守るための、ひとつのアイディアとして採用した」と述べている。ティボ(TiVO)はDVRメーカーの先駆者。CM飛ばし視聴の代名詞にもなっている。

NBCの親会社NBCユニバーサルの営業・マーケティング担当専務のマリアン・ギャンベリ氏は、Garmin社の生CMについて、「広告代理店は色々なDVR対策を考えているが、今回の生CMはその一環。これからも色々なCM方法を模索する動きが増えてくるのではないか」と述べている。

NBCではGarmin社の生CMに対する視聴者の反応を見ながら、今後も深夜番組を中心に生CMを増やしていきたい考えだが、「ユニーク性を失えば効果が薄れる」ことを念頭に生CMが登場する回数は最小限に抑えたいとしている。