NFL最終戦が史上初のサイマル放送


米プロフットボールリーグ(NFL)レギュラーシーズン最終戦が先月29日、ニュージャージー州でボストン・ペイトリオッツとニューヨーク・ジャイアンツの間で行われた。試合はペイトリオッツがジャイアンツに38対35で競り勝ち、レギュラーシーズンが16試合制になった1978年以来初の16戦全勝を果たした。全勝は14試合制だった1972年のマイアミ・ドルフィンズ以来の偉業となった。同試合には試合前から全米が注目、テレビ中継にも前代未聞の出来事が起きた。

本来なら同試合は放送権を握っているNFL専門局「NFLネットワーク」による独占中継のはずだったが、同局の視聴可能世帯数がケーブルと衛星放送の加入者4,300万世帯に限られているため、同局が地上波ネットワークにサイマル中継を呼びかけるという極めて異例の事態となった。NFLネットワーク側は、「歴史的な試合になる可能性のある同カードを、出来る限り多くのファンに見てもらいたかった」と説明している。同局はNFLが所有する専門局、フットボール振興を独占放送に優先させようとの思惑が働いた格好だ。

そして、この呼びかけに応じたのがCBSとNBCネットワーク。このようなサイマル放送はNFL始まって以来初の試みとなった。試合は2大ネットワークの他、ニューヨークとボストンのローカル局も放送したが、視聴者数3,450万人を獲得。今シーズンの最高視聴率番組となった。また、ニューヨーク地区の視聴率は24%(シェア40%)、ボストンでは視聴率が50.1%(シェア75%)にも達するほどの人気ぶりだった。