NHLが全試合をネット放送


米フットボールリーグ(NFL)や大リーグ人気のかげで、とかくかすみがちなアイスホッケーリーグ(NHL)が大胆なインターネット放送サービスを展開することになった。NHLでは昨年3月ストリーミング・ビデオを使いネット上でNHLのほぼ全試合を生中継する「ゲームセンター・ライブ」を開始しているが、新サービスでは、新技術を導入し、テレビに近い高品質画像を提供するほか、メイン画面に加え、自分の好きなアングルで試合を見ることが出来るカメラを選ぶことも出来るようにする。また、見逃した試合などを見たい時に視聴できるVOD(ビデオ・オン・ディマンド)を加えたほか、画面の一部で流される速報を見ながら、同時進行している他の試合に切り替えることも可能だ。

NHLの最高執行責任者(COO)ジョン・コリンズ氏は、米経済紙ウォールストリート・ジャーナルに、「ハイテクに精通した若者ファンをターゲットにしている。インターネット配信への積極的な進出がNHLの成功の鍵を握っている」と述べている。

「ゲームセンター・ライブ」は有料制。加入料は年間169㌦(約1万7,750円)と高額だが、コリンズ氏は、「出身地を離れひいきのチームの試合が見られずにフラストレーションに陥っているファンが沢山いるが、このサービスならば、どこからでもどのゲームでも見ることが出来る。加入希望者は沢山いるはず」と自信のほどを示している。 コリンズ氏は、本格的なオンライン配信に対するテレビ局の反発について、「ネットワークと大型の契約に縛られているわけではない」と述べ、テレビ局との軋轢が生まれることを否定している。NHLの主な契約局はスポーツ専門局「バーサス」。一部の報道によると年間契約は7,000~7,500万㌦(約74~79億円)と小規模。NBCも若干数の試合を放送しているが、広告収入リーグ側とシェアする形をとっているという。