NYロングアイランド紙電子版が有料化

ニューヨーク市近郊に位置するロングアイランドの地元紙「ニューズデー」は、10月末から同紙の電子版を有料化することを決定した。価格は1週間5㌦(約450円)、年間加入料は260㌦(約2万3400円)に設定されるという。ただ、ニューズデーの親会社で、同地域のケーブルテレビ(CATV)サービスを独占するケーブルビジョンの加入者とニューズデーの購読者には、これまで通り、無料でアクセス出来るため、有料化の影響を受ける人の数は限定される模様だ。ちなみに、ロングアイランドに住む住民の75%がニューズデーの購読者とされている。今年9月時点での同紙の発行部数は約35万7000部。全米第11位に位置している。


米紙のほとんどが電子版は無料で提供しており、ニューズデーの決定に、ニューヨークタイムズ紙は、「苦境に陥った新聞業界が取らざるを得ない次の動きを示しているのかもしれない」と論評している。経営難が続くニューヨークタイムズは、編集部門の8%に当たる100人の人員削減を発表したばかり。同紙も新たな収入源を求めて、電子版の有料版を計画している。


一方、大手新聞で唯一電子版を有料化しているウォルストリート・ジャーナル紙はこのほど、同電子版にビジネスマンを対象とした「The Wall Street Journal Professional Edition」を導入すると発表した。加入料は月額49㌦(約4410円)。既存のWSJ.comの年間加入料149㌦よりも高めに設定されている。ダウ・ジョーンズ通信が提供する企業向けニュースやデータベースなどが配信されるという。


しかし、こうした電子版有料化傾向に「インターネット上の情報は無料と考える消費者が、背を向ける可能性がある。特に新聞離れが言われる若者層とのつながりを自らが断ち切ることにもなりかねない」などと、警笛を鳴らす向きもある。