NYローカル局が共同取材体制へ


全米最大のテレビ市場ニューヨークのローカル局がこのほど、取材映像を共用する組織、ローカル・ニューズ・サービス(LNS)を6月22日からスタートさせると発表した。LNSに加盟するのはNBCネットワーク直営局のWNBC-TV、CBSネットワーク直営局のWCBS-TV、Foxネットワークの直営局WNYW-TV、メディア企業トリビューン社所有のWPIX-TVの4局。ニューヨーク地域をサービスエリアとするテレビ局のほとんどが加盟した。ABCネットワーク直営局のWABC-TVは参加を見送った。


米ローカル局は若者層によるテレビ離れに加え、不況経済が追い討ちをかける形で経営が圧迫されている。そのため、番組の放送時間を短縮したり、週末のニュース番組を打ち切るなど合理的な運営を追及する動きが急で、LNSも制作コスト削減の一環として立ち上がった。


LNSは独自のデスク体制を敷き、毎朝会議を開き取材対象などを決めるという。カメラマンは各局が持ちまわりで担当する。LNSが取材したものは加盟局のニュース番組で使われるほか、インターネット上の動画配信番組さらには携帯電話などに配信される番組にも使われる。関係者によると、記者会見やイベント、さらには突発事故や事件などがプール取材の対象になるという。各局が独自に制作した企画編や特ダネ取材などは共用されない。

LNSは今年はじめ、ペンシルベニア州フィラデルフィア市のFoxとNBC直営局で実験的に始まったが、その後、シカゴやアトランタなど全米数箇所でも同様な試みが始まっている。ニューヨークでLNSが始まることで、一挙に全米規模に拡大する可能性もある。