P帯のプロダクト・プレースメントが急増中


CM飛ばし視聴に対する防御策として米ネットワークテレビなどが番組に導入している広告方法「プロダクト・プレースメント」が急増中だ。米調査会社「TNSメディア・インテリジェンス」がこのほど明らかにした調査結果によると、2007年1-3月期におけるネットワークのプライムタイム(米東部時間20:00-23:00)番組に登場したプロダクト・プレースメントの量は、前年同時期比89%の増加を示した。

プロダクト・プレースメントとは番組内に商品を自然な形で登場させる広告だが、TNSによるとこの時期プライムタイム中に登場したプロダクト・プレースメントは1時間当たり平均6分22秒に上り、ビジネス専門誌フォーブスはちょっとした「プロダクト・プレースメント・ブーム」が起きていると分析している。

プロダクト・プレースメントが登場した番組をカテゴリー別で見ると、ドラマ番組が、1時間当たり平均4分26秒。同広告方法に適しているとされるリアリティー番組では10分50秒。さらに深夜番組が最長で12分32秒。時間帯や番組カテゴリーによってプロダクト・プレースメントの登場率に大きな差があることも明らかになった。

ところで、ネットワークや広告主にとってCM飛ばし視聴とともに気なるのが視聴者のメディア接触方法の変化。プロクター&ギャンブル、AT&T、ゼネラル・モーターズといった、いわゆる10大広告主による今年1-3月期における対ネットワーク広告出費は43億6,000万㌦(約5,232億円)と前年同時期8%の減少を見せた。減少分はテレビ以外の媒体の広告費に振替が始まっているとの見方が出ている。