SボウルCM、共同購入許さず


2月1日に迫った米プロフットボール(NFL)の王者決定戦「スーパーボウル」のスポットCMをめぐる動きが二転三転している。スーパーボウルは毎年、全米で9000万人以上の視聴者を引き付ける米テレビ界の超人気イベント。今年同イベントを生中継するNBCネットワークは、昨年5月から同番組中に放送する30秒CMをこれまでの最高となる300万㌦(約2億7000万円)で売り出していた。

しかし、金融危機と長引く景気後退の影響で、売れ行きが例年になく鈍り、昨年9月以降は足踏み状態。そんな中、あまりに高額な料金のため一社提供は無理と考える広告主を相手に、「30秒CMを複数社で分担したらどうか」と、考え付いた広告会社が現れた。ロサンゼルスに本拠を置くシザリオ・ミグリオッチ社は、8社の商品と会社ロゴが30秒間にわたり同時に映し出されるというCM案を提案。1社の負担額39万5千㌦(約3550万円)をNBC側に提示した。CM完売を目指すNBC側がいったんは受け入れる意向を示し、スーパーボウル史上極めて異例なCM販売となるかに見えたが、昨年クリスマス直前になって、NBCはこの案を正式に拒否。前代未聞のスーパーボウルCM分割案はお蔵入りとなった。

ところで、世界最大手の貨物航空会社で米国では宅配便の代名詞にもなっているフェデックスが昨年末、今回のスーパーボウルの広告宣伝から撤退することを正式発表した。同社は1989年からスーパーボウルのスポンサー。CMを放送しないのは過去12年間で初めてとなる。同社は金融危機による世界的不況の影響を受け、役員報酬カットや経費削減を発表していた。フェデックスにならび、スーパーボウル長年のスポンサーだった米最大自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)も撤退を発表している。