TiVoがCM視聴率を発表


HDD内蔵型のレコーダー(DVR:デジタル・ビデオ・レコーダー)のパイオニアTiVo(ティボ)が16日、CM視聴率の測定結果を発表した。ティボはこれまでCM飛ばし視聴の代名詞にもなっており、広告業界からは敵視されてきた嫌いがあるが、今度はCM視聴率測定サービス「TiVoストップウォッチ」の提供者として注目されることになった。

番組をリアルタイムあるいは収録して見たティボ加入者のCM視聴状況は、月報というかたちで広告代理店などに提供される。同社のデータベースには過去1年にわたり蓄積されたCM視聴サンプルが集められており、サンプル数はニールセン社の2倍にあたる2万世帯が対象になっている。

CM視聴率については今年5月にニールセンが発表したばかりだが、ニールセンが番組の視聴状況を毎分ごとに測定するのに対し、ティボでは毎秒ごとに測定するため、より正確なデータが得られると期待されている。

今回の調査結果の中で興味深いデータの一つとして、人気番組と、良く見られるCMとの間に相関関係がほとんど見当たらない点が挙げられている。例えば今年5月、最も良く見られたCM5本のうち、最も視聴率の高かった10番組で放送されたものはわずか1本に留まったことが分かった。NYポスト紙は、「高視聴率の番組に、高額なCM料金を払ってスポンサーしたからといって、必ずしもそのCMに視聴者が関心を示すわけではない」と分析している。

ちなみに、5月に最も視聴されたCMはフォード車のスポーツ多目的車(SUV)「EDGE」だった。一方、飛ばし視聴率が最も低かったCMには、映画の予告編とともに、金融サービス企業によるCMが挙げられた。 「TiVoストップウォッチ」は、15の地上波、ケーブル・ネットワークが対象になっている。すでに、StarcomUSA、Interpublic Group、MediaIQなどの大手広告代理店が加入を決めた。