TV脚本家スト、交渉再開も難航


テレビ番組のインターネット配信による利益配当の改善などを求めストライキ入りしている全米脚本家組合(WGA)と全米映画テレビ制作者(AMPTP)は、スト打開を目指し26日から3日間の予定で断続的に交渉を行ったが妥結には至らず、予定を変更して4日目も交渉することになった。ストが始まった11月5日以来初めてとなった一連の交渉は、ロサンゼルスのホテル内で行われた模様だが、具体的な場所などが伏せられるなど、報道管制がしかれた中で行われている。

交渉は当初、26日のみに限定されていたが、双方が交渉期間を3日間に延ばしたことで、「AMPTPサイドが詳細なオファーを提示しているようだ。合意は時間の問題だ」などと楽観的な見方が一時出た。その一方で、「脚本家の残業時間や健康保険を含む待遇改善問題などが新たに浮上しており、争点が複雑化している」などとする悲観論が交錯していている。

映画関連の非営利団体FilmLAによると、ストによる経済損失はロサンゼルス市だけで一日2000万㌦(約22億円)。ただ、米ペバーダイン大学が実施した世論調査によると米市民の6割がWGAの主張を支持しており、WGAが簡単に妥協することはないという見方もある。

そんな中、スト入り直後、再放送に切り替えられた深夜の人気トーク番組に深刻な影響が出始めている。NBCネットワークが週日連夜放送している番組「Late Show with David Letterman」が11月12日の週平均視聴率で、ABCネットワークの報道番組「ナイトライン」に初めて追い越されてしまった。

プライムタイムで放送されているドラマ番組などは来年初頭までの分がすでに制作済みで、現状の編成で持ちこたえられる見込みだが、仮にスト解消が来年第1四半期にずれ込むようなことがあれば、広告主がCM料金の払い戻しを求める事態にも発展する可能性があり、そうなればネットワークがパニックに陥る事態にも発展しかねないと憂慮する声も上がっている。