TWCが無料DVRサービス


米ケーブルテレビ(CATV)大手タイムワーナー・ケーブル(TWC)がこのほど、CM飛ばし視聴が出来ないDVR(HDD内蔵型レコーダー)サービスを始めると発表した。米国ではDVR人気が急上昇中で、ネットワーク幹部の頭痛の種になっているが、TWCの新サービスはマジソン街からも注目を集めそうだ。

新DVRサービスは「Look Back」と呼ばれ、同社の加入者に無料で提供される。ただ、Look Backは、視聴できる番組が同日に放送された番組に限定される「見逃し視聴」サービス。番組の早送り機能は無く、視聴時間も放送日の深夜12時までという条件つきだ。無料とは言え、これだけの条件がつけば利用者の支持を得られるかどうか疑問だとする向きもある。

これに対し、TWCの新商品開発担当副社長のピーター・スターン氏は、「DVR保有者は必ずCMを早送りするというのが業界内の一般的な捉え方だが、実はDVRの主な利用目的は、自分の見たい番組を自分の見たい時間に視聴する、いわゆるタイムシフト視聴が多いのが実情だ」と述べている。

Look Backは今年10月スタートの予定。サービス・エリアをサウス・カロライナ州に限って、商業実験という形で始める。TWCでは将来的には全米に展開したいとしているが、視聴者がタイムシフト視聴を求める度合いを探る絶好のチャンスになると説明している。現在、米国ではDVRの利用料金は月額平均10㌦(約1,200円)というのが相場だが、生活者がCM飛ばし視聴が出来なくても無料型を選ぶのかどうかを知る上でも興味深い実験サービスとなりそうだ。