WGAストが長期化の様相


11月5日に始まった全米脚本家協会(WGA)のストが長期化する様相を呈してきた。WGA側は、全米映画テレビ制作者(AMPTP)側に対し、テレビ番組がインターネットなどデジタル配信された際の報酬アップを求めていたが、双方の主張の溝が埋まらず、WGAがストを決行。1週間が経過した今も交渉再開の兆しはない。WGA西部地区代表のパトリック・ベロン氏が、「我々の主張が通るまで闘い続ける。いかなる手段もいとわない」と述べれば、AMPTP代表のニック・カウンター氏も「前回(1988年)はストが5ヶ月間に渡ったが、今回も同様な期間ストが続くことを念頭に準備している」と応酬するなど、「早期の解決は望み薄」(ブロードキャスティング・ケーブル誌)といった状況だ。

ネットワークではストが始まった5日夜から、軒並み深夜の人気トーク番組を再放送番組などに差し替えているが、プライムタイムの人気ドラマは通常通り放送されている。ただ、来年1月以降の放送が困難になる番組がほとんど。また、1月以降に放送開始を予定している人気ドラマ、「24」(Foxネットワーク)や「ロスト」(ABCネットワーク)なども、シリーズ全編の制作が確保出来ていないという理由で、放送中止が発表されなど、すでに顕著なダメージが出始めている。前回のストはシーズンが終盤を迎え始めた時期だったが、今回は各ネットワークにとって極めて重要なシーズン期首にスト入りするという最悪のタイミング。ストが長期化すればテレビ離れが助長されることを懸念する声も上がっている。

一方、ニューヨーク・ブロードウェーの舞台設営係らでつくる組合が10日、労働条件の改善を求めストライキに突入した。ブロードウェーは年末に向け書き入れ時、ニューヨークを訪れる観光客にも大きな影響を与えるだけにブルームバーグ市長が早期収拾を呼びかけている。

また、CBSネットワーク系列のテレビ局やラジオ局の報道部門で働く、ニュース・ライターの組合が新契約内容の改善を求め、15日からスト入りする構えを見せており、米エンターテイメント業界にストの嵐が巻き起こっている。