WSJ紙がインタビュー番組開始


米経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」が、毎週金曜日に特別企画を組むことになった。とはいっても紙面ではなく電子版からアクセスできる動画サービス。「The Big Interview(ザ・ビッグ・インタビュー)」と名づけられた企画は、文字通り政財界の大物とのインタビュー番組。新聞社が、オンライン・ビデオを使った番組をシリーズで定期配信するのは異例だ。ビッグ・インタビューは、毎週金曜日にオンデマンド形式で配信される。番組冒頭にテレビ型のCMが挿入されるほか、画面の右にディスプレー広告が挿入される。


第1回目は、同紙の経済編集長デイビッド・ウェッセル氏が連邦預金保険公社(FDIC)のシーラ・ベアー総裁(写真・左)を相手に一対一のインタビュー。金融危機や銀行の将来の在り方などについてのやり取りが19分間にわたり配信された。7月2日に配信された第2回目は、ホワイトハウスでエネルギー・環境政策調整担当を務めるキャロル・ブラウナー氏がゲスト。メキシコ湾の原油流出事故について様々な角度から話し合われた。


ウォールストリート・ジャーナル紙では、これまでにもIT担当の名物記者がアップル社の新携帯端末アイパッドが発売された際などに、製品の紹介と評価を、カメラを前に披露するビデオ・コーナーを電子版で不定期に配信してきた。また、6月上旬には、“今ホットな話題”について同紙のコラムニストなどが意見を述べる「Opinion Journal Live」も開始するなど、オンライン・ビデオ配信に積極的に取り組んでいる。そのほかにも、広告代理店サービスやワインの通信販売サービスにも進出を決めるなど、新聞外収入の拡大戦略を鮮明に打ち出している。


紙面上も、レジャーを専門に扱った15~17ページからなる土曜版の発行を決めたほか、経済専門紙からの脱却をはかり、ライバルのニューヨーク・タイムズ紙に対抗するかたちで、12ページにわたるニューヨーク版を創刊するなど、ニューヨーク・タイムズ紙が大きなシェアを占める全米最大広告市場(ニューヨーク)の切り崩しを図っている。