米動画共用サイト最大手YouTube（ユーチューブ）はこのほど、米映画会社大手MGMが製作した映画やテレビ番組の配信サービスを始めると発表した。ユーチューブは、今後、格闘技やアクション専門チャンネルを開設し、MGMの作品、「The Magnificent Seven：荒野の7人(邦題)」(写真)や「Rocky：ロッキー」、さらには「Lone Wolf McQuade：テキサスSWAT」などといった往年の映画がフル視聴できる無料配信を手がけることになる。MGM側は毎月提供コンテンツを更新する予定だ。

同事業提携は、番組や映画の全編配信サービス拡大を視野にコンテンツ提供者を模索中のユーチューブと、新たな収入源を探求しているMGM両社の思惑が一致し実現した。MGM側には映画などの違法投稿を防ぐ手段として、むしろ積極的にコンテンツをネット上に提供したほうが得策との判断も働いたようだ。

動画サイトでは圧倒的な利用者数を誇るユーチューブだが、これまでのコンテンツは番組やテレビ番組の一部を見せるハイライト版が主流。ニューヨーク・タイムズ紙などによれば、番組や映画の全編配信で人気急上昇中のオンライン・サイト「Hulu（フールー）」に危機感を抱いている模様だ。ユーチューブでは11月22日、初の試みとなるライブ･イベント「YouTube Live!」をインターネット上で放送するなど、素人の動画投稿サイトからの大きな脱却を図っている。なお、このライブ･イベントはサンフランシスコで開催されるコンサートを全世界向けにネット中継するもの。一部、東京からも衛星を通して参加が予定されているという。