アイドル視聴率、昨年比9%減も無敵


米テレビ界の人気ナンバーワン番組「アメリカン・アイドル」(Foxネットワーク)の新シリーズが13日、始まった。今年で第8回目となるシリーズのプレミア版は、全米向けにプライムタイムで放送(20:00-22:00)されたが、初回の視聴者数はニールセン社の速報によれば、視聴率13.8%(シェア32%)、視聴者数は昨年第1回目に比べ9%減少、2004年以来最低となる3010万人だった。

同番組は、過去5年間に渡り、シーズン平均視聴率トップの座を守り続けている“お化け番組”だが、業界内には「今年は視聴率が低下するのは避けられないだろう」とする声が過半数を超えていた。結果は予想通りとなったが、他ネットワークの看板番組の中には20%台の落ち込みをみせているものもあり、当面は米テレビを代表する不動の地位を守り続けるものと見られる。

Foxエンタテイメント部門社長、ピーター・リグオリ氏は業界誌ハリウッド・リポーターに、「視聴率低下率が想定内だったので一安心。新審査員を加えるなど、番組の構成を改めたが、評論家や視聴者から好意的な意見が寄せられており、番組の将来については楽観的」だと述べた。ただ、「Foxに占める同番組の重要性を考えれば、満足できる結果ではなかった」と反省の弁も。

同番組は全米から募集された歌手志願者が数々の予選を勝ち抜いて行くオーディション番組。最終段階では視聴者の投票で勝者が決まることから番組との一体感が生まれ、双方向番組の成功例とされている。番組は毎年シーズン後半にあたる1月から5月まで、毎週火曜日、水曜日に2時間枠で放送。Foxにとって、この間、プライムタイム枠の4割を担う同ネットワークの大黒柱となっている。メディア・サイト「メディア・ライフ」の調べでは、広告主の83%が、同番組が今シーズンもFoxを視聴率トップに押し上げる原動力になると見ている。番組は、アカデミー賞助演女優賞を受賞したジェニファ・ハドソンさんなど数々のスターを輩出している。