アカデミー賞、昨年を上回る視聴者数


米映画界最大のイベント、第81回アカデミー賞の発表と授賞式が22日、ロサンゼルスのコダック・シアターで行われ、滝田洋二郎監督の「おくりびと」が外国語映画賞に、加藤久仁生監督の「つみきのいえ」が短編アニメーション賞に輝いた。日本人の受賞は、長編アニメーション賞を獲得した宮崎駿監督「千と千尋の神隠し」以来6年ぶり、ダブル受賞は初の快挙となった。

授賞式の模様はABCネットワークが米東部時間午後8時半から約3時間に渡って全国向けに生中継した。平均視聴者数は、3630万人と1974年以来最悪を記録した昨年の視聴者数3209万人を上回った。ABCによれば番組を少なくとも6分間視聴者した人の数は、6756万人に達した。地域別で見ると、視聴率が最も高かったのがニューヨーク。平均視聴率は34.1%(シェア49%)だった。これにシカゴ(31.2%/46%)、ロサンゼルス(28.1%/44%)などと続いた。

同番組で放送されるCMは、スーパーボウルに次ぐ高額料金で知られるが、今年は未曾有の不況のため、これまでの大手スポンサーだったゼネラル・モータース(GM)や化粧品大手ロレアルなどが撤退。米調査会社TNSメディア・インテリジェンスによれば、今年のCM売上総額は6700万㌦(約60億円)と、昨年の8100万㌦(約73億円)に比べ17%もの落ち込みとなった模様。30秒CMのほとんどが昨年比約17%減となる140万㌦(約1億2600万円)で取引されたようだ。

ところで、アカデミー賞最高の栄誉とされる作品賞には、インドのスラム街に育った少年がクイズ番組「ミリオネア」に挑む様子を描いた「スラムドッグ$ミリオネア」が、主演男優賞には「ミルク」のショーン・ペン、主演女優賞には「愛を読むひと」のケイト・ウィンスレートがそれぞれ選ばれた。08年度に公開された映画の中で、興行成績が断トツだった「ダークナイト」が作品賞に選ばれなかったことに不満をもらす声もあるが、低予算の「スラムドッグ」が選ばれたことで、ハリウッドに新風を吹き込んだとの声もある。