アメリカン・アイドルが始まった


 米テレビ界の人気ナンバーワン番組に7年連続(18~49歳層) でランクされているFoxネットワークのオーディション番組「アメリカン・アイドル」の第10シリーズが1月19日始まった。今シーズンは、番組人気を支 えている審査員(ジャッジ)グループの一人でカリスマ性に富んだサイモン・コウェル氏が抜けたことから視聴率への影響が懸念されていたが、初回(午後 8~10時)は世帯視聴者数が2610万人と前年の初回と比べ13%減少。広告主が重要視する視聴者層(18~49歳)の視聴率は前年比18%減少となる 9.7%(シェア26%)と懸念通りのスタートとなった。今シーズンから審査員に、人気歌手・女優のジェニファー・ロペス氏とロックバンド「エアロスミ ス」のボーカリストだったスティーブン・タイラー氏を加え、コウェル氏の抜けた穴を埋めたいとのFoxの思惑がはずれた格好だ。


しかし、視聴率低下傾向がすでに過去4年間にわたり続いていることと、初回の視聴率が前年を下回ったとはいえ、他ネットワークをまったく寄せ付けない視聴 率は獲得していることから、今年もアメリカン・アイドルがナンバーワン番組の座を守ることは間違いないとする見方が支配的だ。ちなみに、同枠裏番組を見る と、Foxに続き2位についたABCの18~49歳層の視聴率は2.7%(シェア7%)、以下3位のCBSが1.9%(シェア5%)、NBCは1.6% (シェア4%)といった具合で、まったく勝負にならない状況だ。


メディア専門サイト「メディア・ライフ」も、「アメリカン・アイドルが引き続き大ヒット番組であることに変わりない。今シーズンもFoxネットワークを視聴率王に押し上げる一大要因となることだろう」と解説している。


新審査員についても、一定の人気を集めることは織り込み済みだったジェニファー・ロペスさんにならび、スティーブン・タイラー氏については、「(コウェル さんに代わって)新しい人気ジャッジになる兆候が現れている」(メディア関係者)などと楽観的な見方も寄せられている。


同番組の30秒CM料金は水曜日版が46万7617㌦、木曜日版は40万546㌦と、シリーズ番組としては今シーズン最高の高値がついている。