アメリカン・アイドルが選挙特番を圧倒


米大統領選予備選の天王山とされた「スーパーチューズデー」(2月5日火曜日)は、大票田を抱える州も含め24州が参加したこともあり、これまでにない高い関心が寄せられた。当日はCNNなどニュース専門チャンネルはもとより、3大ネットワーク(ABC、CBS、NBC)などが開票時間に合わせ特別番組の拡大版を編成し、報道合戦も過熱した。ABCネットワークは人気ドラマ番組などを放送するプライムタイムをすべてつぶし5時間にわたる特番を組んだほどだ。しかし、当夜の視聴率戦線を制したのはこうした選挙特番ではなく、Foxネットワークのオーディション番組で今や米テレビ界を代表する人気番組となっている「アメリカン・アイドル」だった。

ニールセン社によると、この日の「アメリカン・アイドル」(夜8~9時)の平均視聴者数は2,780万人と、同番組にとって今シーズン最高記録となった。また、同番組直後に放送された医療ドラマ「ハウス」(夜9~10時)も「アメリカン・アイドル」に引っ張られる形で、平均視聴者数2,320万人を獲得。同夜のプライムタイムは、Foxが他ネットワークの合計視聴者数を圧倒的に上回るひとり勝ちとなった。ちなみに、3大ネットワークが放送した選挙特番で最高視聴者数を取ったABCの平均視聴者数は520万人だった。また、NBCは選挙特番の他に、減量を競うリアリティー番組「ビッゲスト・ルーザー」の拡大版(2時間)を編成(夜8~10時)したが、平均視聴者数800万人と「アメリカン・アイドル」には遠く及ばなかった。

一方、ニュース専門ケーブル局のほうは、前回(2004年)の大統領選の「スーパーチューズデー」を大きく上回る視聴者数を得たようだ。トップはCNNで同夜8~11時に放送した特別番組の平均視聴者数は364万人。これにFoxニュース・チャンネル(FNC)349万人、MSNBCが211万人と続いた。