アメリカン・アイドルが高視聴率で終了


米Foxネットワークが放送しているオーディション番組「アメリカン・アイドル」の第7シリーズが5月21日最終回を迎えた。当日は2時間の特別番組として放送されたが、ニールセン社の速報によると、平均視聴者数がこれまでの最高記録3640万人(2006年)には遠く及ばなかったものの3170万人と、昨年最終回の2950万人をかろうじて上回った。18~49歳層の視聴率は11.4%(シェア29%)と昨年の視聴率10%から微増に留まった。ただ、優勝者を選ぶ視聴者による電話投票(携帯電話からのテキスト・メッセージ投票も含む)が9750万票とこれまでの最高記録を更新し、最終回に大きな関心が寄せられたことがうかがえる。

今年1月15日にスタートした同番組初回の視聴率は、広告主が重要視する18~49歳層で13.8%(シェア32%)と過去4年間で最低のスタートとなったほか、シリーズ全体が視聴率低下傾向を示し、「ついにアイドル人気に陰りが」などと業界誌などで取りざたされたが、決勝ラウンドに向かい人気を盛り返し底力を見せた格好だ。また、人気に陰りといっても、プライムタイムで常に2000万人以上の視聴者を獲得できる番組は他に見当たらず、Foxのライバル社CBSコーポレーションのレスリー・ムンベス社長兼最高経営者があるメディア会合で同番組について、「あのモンスター(怪物)を抹殺してくれる人はいないのか」と悲鳴を上げたほど。

また、同番組の視聴者層で最も多いのが35~49歳層で、全体に占める割合が29%にも上っており、広告主が最もスポンサーになりたい番組の一つになっている。米テレビ界ではABCの「Dancing with the Stars」がアイドルに迫る高視聴率番組になっており、リアリティー番組がプライムタイム(米東部時間午後7時~11時)編成に欠かせないジャンルとなっている。写真はアメリカン・アイドル第7代目に選ばれたディビッド・クックさん(25)(右から二人目)。クックさんはオハイオ州でバーテンダーをしていた。