インターネット利用で占う消費者心理

 不況に財布の紐が硬くなっている米消費者の心理に変化が生まれている。インターネット利用の動向調査などで知られる米調査会社コムスコアーによれば、消費者の間で経済状況が改善し始めたと考える傾向が、インターネット上のトラフィック(利用状況)に如実に現れ始めているという。


今年3月に自動車メーカーなどのホームページに対するアクセス数が、昨年同月比23%増となる3000万件を超すユニークビジター数を記録。分野別サイトでは群を抜いた伸びを示している。新車の特別セールやインセンティブの確認などがトラフィック量を押し上げているが、コムスコアでは①消費者の間で、リセッション収束感が広がっており、購買意欲も増している②昨年は買い控えていた新車購入の動きが確実に出てきている③新車を物色する際に、まずはインターネット上のサイトで確認する消費者が急増していることもトラフィックの増大につながっている、などと分析している。コムスコアによれば、新車を購入する際、ディーラーを訪れたのは一昔前の話、昨今はまずインターネットで様々な新車を比較研究し、的を絞った段階でディーラーに行く、という習慣が定着し始めているという。


また、自動車サイトと並んで人気なのが政治サイト。同社によれば、米消費者の興味が医療保険改革法の内容や行方に集中した証拠で、同サイトへのユニークビジター数は同18%増となる2050万件を記録した。コムスコアでは、自動車と政治サイトを3月に急増した2大サイトと位置づけている。


ところで、同社の調べでは過去2年間、ユーザーの間で、利用頻度が急拡大したのが、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)関連サイトと、テレビ番組などが視聴できるオンライン・ビデオ・サイトの2つ。同2サイトは今後もアクセス数が増大するのは間違いない模様だ。