インターネット利用者数が頭打ち

米国でのインターネットの利用者数は、これまで急カーブを描いて上昇してきたが、それが頭打ちになっているという調査結果がこのほど明らかになった。米有力調査会社「フォレスタ・リサーチ」によれば、インターネット接続が可能になった世帯数は過去1年間で3%増と微増。ブロードバンド接続も6%の増加に留まっているという。これまでは二桁台の成長率を示してきた傾向に変化が起きているようだ。業界誌「メディアウィーク」は、「インターネットにとって勢いの良かった時代は終わったようだ」と指摘している。


また、インターネット利用時間は、週当たり12時間で、前年とほぼ同じレベルに留まっていることも明らかになった。フォレスタのアナリスト、ジャッキー・ルーソー・アンダーソン氏は、広告業界専門誌「アドバタイジング・エイジ」に、「ブロードバンドの普及率が高くなっている中で、利用時間が横ばいなのは、利用者がインターネットの使い方を熟知したためだ」と分析している。アンダーソン氏は、かつてネット利用者は、どんなサイトがあるのか、どのように使ったらいいのかなどと、“インターネットをサーフする”時間が多かったが、現在ではそのような消費時間が激減したとしている。

その一方で、テレビ視聴時間は相変わらず堅調に推移しているという。同調査によると、「インターネット上でテレビ番組を良く見る」と答えた人も、テレビの視聴時間は1週間当たり13時間と、過去5年間に比べほぼ同等。インターネット利用が、テレビ視聴を侵食している証拠は見当たらない模様だ。アンダーソン氏は、「米消費者はまだ既存メディアを見捨てていない。ただ、彼らは自分にぴったりあったコンテンツを捜し求めているのが現状だ。メディアがさらなる成長を遂げるには、こうした視聴者の心理を理解することが肝心だ」と強調している。