ウェザー・チャンネルに身売り話

米ケーブル局の中で、固定客をしっかり掴んだ優良チャンネルの代表格として知られる「ウェザー・チャンネル」に身売り話が浮上している。

同チャンネルを所有するメディア企業「ランドマーク・コミュニケーションズ」がこのほど明らかにしたもので、同チャンネルのほか、テレビ以上に人気のあるウェブサイト(weather.com)、傘下の新聞、テレビ局も合わせ売却したい模様だ。

ただ、ランドマークの会長兼CEO(最高経営責任者)を務めるフランク・バッテン氏は、米経済紙「ウォールストリート・ジャーナル」に、「作業はまだ始まったばかり。関連会社を一括して売却するのかも含め、まだ何も決まっていない」と述べており、セクター別に売却することも視野に入れている模様だ。

同社の副会長、リチャード・バリー氏によれば同社の昨年度の売上は20億㌦(約2,200億円)。米調査会社SNLケーガン社は、同社の資産価値は50億㌦(約5,500億円)に上ると見ている。売却に向けた戦略作成と交渉には米金融会社大手のJPモルガン社とリーマン・ブラザース社が当たることになった。

ローカルテレビ局の天気予報運営との相乗効果が期待されることもあり、特にテレビ局を傘下に置くメディア企業が買収に高い関心を示しているという。業界内では世界最大のメディア企業「タイム・ワーナー」やNBCユニバーサル、ルパート・マードック氏率いる「ニューズ・コーポレーション」のほか、世界最大のドキュメンタリー専門チャンネル「ディスカバリー・チャンネル」のオーナー会社「ディスカバリー・コミュニケーションズ」などの名前が挙がっている模様。

ちなみに、同局は年間所得75,000㌦(約825万円)以上の世帯で人気チャンネルの3位にランクされている。