ウォルマート、映画オンライン販売に参入


世界最大の小売業、米ウォルマートが映画やテレビ番組のインターネット配信ビジネスに参入することになった。ウォルマートはこのほど、ウォルトディズニーやワーナー・ブラザーズなどハリウッド映画大手6社すべてと契約、専用のウェブサイト、www.walmart.com/videodownloads を開設した。ブロードバンド上の映画・番組販売にはすでにアップル社のアイチューンズ・ミュージック・ストアやオンライン通販大手アマゾンなどが展開しているが、従来型の小売業者が参入するのは初めて。

巨大企業が参入することで映画や番組のダウンロード価格競争に拍車がかかり消費者に恩恵を与えるとする見方がある一方で、すでにアイチューンズの独壇場となっている同市場は飽和状態だとする意見もある。有力調査会社ヤンキー・グループでデジタル・エンタテイメント・プログラムを担当するマイケル・グッドマン氏はウォルマートの参入について、「小売業では800ポンドのゴリラ的存在だが、デジタル配信市場では80ポンドの小動物的存在に過ぎない」(ニューヨークタイムズ紙)と懐疑的だ。

また、ウォルマートではつい最近、DVDのオンライン販売から撤退したばかり。マイナス・イメージを指摘する声もあるが、同社のデジタル・メディア商品販売を担当するケビン・スウイント氏は、「ハリウッド大手6社すべてと契約しているのはウォルマートだけ。ウェブサイトもヒューレット・パッカードと共同でユーザーが使いやすいサイトにした」と自信を示している。

同社では、映画はDVD発売日と同時にオンライン販売。価格は12.88~19.88㌦(約1,560~2,390円)とし、競合相手とほぼ同価格に設定している。この他、古い映画は7.50㌦(約900円)。テレビ番組は1.96㌦(約235円)で販売される。