ウッズ選手の謝罪会見に全米が注目


男子ゴルフ界のスーパー・スター、タイガー・ウッズ選手が2月19 日、フロリダ州のPGA(米国プロゴルフ協会)本部に隣接するTPCソーグラスのクラブハウスで自らの不倫騒動について謝罪会見に臨んだ。騒動が表面化し て以来約3ヶ月、一切公の場に姿を現さなかった「スポーツ界の巨人」(ABCニュース)の登場とあって、米東部時間午前11時過ぎに始まった会見は、 ニュース専門局はもとより、3大ネットワーク(ABC、CBS、NBC)も通常の番組を中断し一斉に生中継した。市民の関心も高く、週日の午前中にもかか わらず、スポーツ専門局ESPNの視聴率は、通常の番組の4倍にも上った。


ウッズ選手は用意されていた声明を読み上げ、「家族や友人、ファンを裏切ってしまい、本当に申し訳なく思う」などと謝罪の言葉を重ねたが、当面の課題は、精神面の治療を受けることだとし、試合への復帰の具体的な日程などは明らかにしなかった。


謝罪会見について米メディアからは、「これまで公の人が行った謝罪の中で最も際立ったもののひとつだった」(ABCニュース・キャスター、ジョージ・ステ ファノポロス氏)などと、前向きに評価する声がある一方で、「ウッズ選手と関係者は、やらせの会見を行った。発言の内容をそのまま受け入れる気にはなれな かった」(ワシントン・ポスト紙、サリー・ジェンキンス記者)などと批判的な声も少なくなかった。メディア・サイト「メディア・ライフ」は、「ウッズ選手 は今回のスキャンダルで永遠にダメージを受けた。元通りの信頼をとり戻すことは不可能。新たなスポンサー契約も難航するのではないか」などと分析してい る。

一方、一般市民の受け止めかたは好意的なものが多いようだ。エンタテイメント・ウィーク リー誌が行った世論調査では、ウッズ選手と妻との間のプライベートな問題と捉える向きが多く、75%の人が、「我々に対して謝罪する必要はない」と答えて いるほか、HCDリサーチ社の調査では、64%が「今回の謝罪で十分だ」と考えていることが明らかになった。また、ニューヨークのローカル局WABC- TVが行った別の調査では81%の人が、「ウッズ選手の報道にうんざりしている」と答えている。