ウッズ選手欠場がもたらす少なからぬ影響


プロゴルファー、タイガー・ウッズ選手の不倫騒動によるツアー欠場が、様々な方面に 影を落としている。米有力経済紙ウォールストリート・ジャーナル紙によると、1月末にカリフォルニア州サンディエゴのトーリー・パインズ・ゴルフコースで 開催されたトーナメント「ファーマーズ・インシュランス・オープン」は、入場券売り上げやスポンサーが買い上げる特別席の売り上げが08年比20%もの落 ち込みを見せたという。主催者側は、主要スポンサーを格安のレートで捜し求めざるを得なかったという。


スポーツ・サイト「スポーツ・メディア・ウォッチ」によれば、CBSネットワークが中継した同トーナメント最終日の視聴率は2.4%と、ウッズ選手が出場 した08年大会の視聴率4.6%に比べ48%も減少した。例年、ウッズ選手が出場しないPGAツアー開幕戦「SBSチャンピオンシップ」(ハワイ)の視聴 率は昨年比21%減少、第2戦のソニー・オープン(ハワイ)も同30%減と、ゴルフへの関心が低くなっている模様で、ウッズ選手のツアー欠場の影響を間接 的に受けていると言えそうだ。


また、ウッズ選手不在の影響で、今年の米国プロゴルフ協会(PGA)ツアーが主催する46のトーナメントのうち、3トーナメントで主要スポンサーがつかな い状況だ。来年度(11年)ツアーも、現時点で主要スポンサーが見つからないトーナメントが13もあるという。


ウッズ選手はプロ入りした翌年(97年)のメジャー戦「マスターズ・トーナメント」でいきなり優勝したが、この時の視聴者数はゴルフ番組では前代未聞の 5000万人を獲得、一挙にタイガー・ブームが巻き起こった。ウッズ選手がプロ入りした1996年のPGAツアー売り上げ(4大メジャーを除く)は、3億 250万㌦だったが、2008年には9億8100万㌦にまで急増したという。


ところで、ウッズ選手欠場の影響について、CBSスポーツの元編成担当副社長、ジェイ・ローゼンスタイン氏は、「タイガー・ウッズはゴルフそのもの。誠実 さが求められるゴルフに与えるウッズ選手の出場自粛(不倫騒動)のダメージは極めて大きい」と述べ、負のイメージも指摘している。