エミー賞ノミネートで健在ぶりを誇示
米国の優れたテレビ番組や俳優などに与えられるエミー賞のノミネート作品などが7月8日発表された。ここ数年ケーブル局の番組におされ気味だったネットワークテレビの番組が数多く候補作に選ばれ、業界内には「ネットワークがエミーでかたき討ちに出た」(ブロードキャスティング&ケーブル誌)、「(リスクを承知で新番組を編成した)ネットワークの賭けがエミー賞で実った」(ニューヨーク・タイムズ紙)などと、好意的な評価が下されている。
テレビ用映画やミニ・シリーズなどのカテゴリーでは相変わらずケーブル局が強みを発揮しているが、ネットワークは、ドラマやコメディー番組といった本来十八番だった番組が数多くノミネートされた。Foxネットワークが放送している、高校生を主人公にしたミュージカル・コメディー「Glee(グリー)」がコメディー・シリーズ部門など19部門でノミネートされたほか、ABCネットワークのコメディー番組「モダンファミリー」は、出演者の5人がノミネートされた助演賞など14部門にエントリーされた。NBCネットワークのコメディー番組でエミー賞の常連となっている「30
Rock」も健在で、一連のコメディー番組の活躍が目立っている。
コメディー以外でも優秀なドラマ番組が躍進した。CBSネットワークの法廷ドラマで、セックス・スキャンダルに巻き込まれたシカゴの司法長官である夫の無実を証明しようと葛藤する妻(弁護士)を描いた「The Good Wife」が“傑出したドラマ・シリーズ”部門にノミネートされる、といった具合だ。
そんな中、ネットワークテレビで最もノミネート数が多かったのがABCネットワークの63。これにCBSの57、NBCの48、Foxの47と続いた。