オバマ大統領、議会演説が高視聴率


オバマ米大統領の演説中継番組の人気が止まらない。オバマ大統領は2月24日、連邦議会の上下両院合同本会議で初の施政方針演説を行ったが、その模様をネットワークテレビやケーブル局が全国向けに生中継した。全米で約5240万人の視聴者を獲得し、1993年以来最高の記録となった。1月20日の就任式中継番組(視聴者数3780万人)、2月9日の公式記者会見(同4950万人)を上回る記録で、同大統領がテレビを通して国民に語りかけるたびに視聴者数がしり上がりに上がっている。

演説は米東部時間の夜9時から約1時間に渡って行われたが、同演説を地上波4大ネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBC)で見た人は3360万人と、昨年ブッシュ前大統領が行った一般教書演説時の視聴者数を37%も上回った。演説の模様は、4大ネットワークの他にも、公共放送やスペイン語放送、さらにはCNNなどニュース専門局でも生中継され、約1900万人の視聴者を引き付けた。

ところで、オバマ人気がニュース専門局の視聴者争奪戦にも微妙な影響を与えている。ニュース専門局は、Foxニュース・チャンネル(FNC)、CNN、MSNBCの3大勢力で占められているが、過去1年半に渡りリベラル色を強めたMSNBCが躍進している。2月のプライムタイム平均視聴者数は95万人強と昨年同月比23%増と好調だ。同局をオバマ・チャンネルなどと呼ぶ向きもある。また、保守的報道を看板に掲げているFNCも、相変わらずニュース専門局ナンバーワンの座を守っている。平均視聴者数は241万人と昨年同月比29%増を記録している。その一方で、昨年、一連の大統領選挙報道で視聴率が上昇したCNNは、逆に116万人と31%の減少となった。「最もバランスある報道」をモットーにしたCNNが、特色を発揮できない状態に陥っていると指摘する声もある。