オンライン・ビデオ視聴が続伸中

 インターネット上でネットワークテレビのプライムタイム番組などが視聴できる、いわゆる“オンライン・ビデオ視聴”が相変わらずの人気だ。インターネット関連調査会社「eMarketer」がこのほど発表したところによると、現在、「テレビ番組を全編にわたってオンライン上で視聴することがある」と答えた人は、インターネット利用者の三分の一にも上っている。来年にはその数が39%と、さらに増える見込みで、同社は、オンライン・ビデオ視聴が、「ものめずらしさ」から「インターネット利用の主流に近づきある」と、分析している。


同社によると、人気の背景にはオンライン・ビデオ無料配信サイト「Hulu(フールー)」の存在が大きいようだ。フールーは、ネットワークテレビなどを傘下に置く米巨大メディア企業、ニューズ・コーポレーション、NBCユニバーサル、ウォルト・ディズニー3社が共同出資するサイト。サービスが開始されたのが08年3月と、まだ2年強の若いサイトだが、ネットワークテレビの番組などが放送翌日には無料配信されているほか、映画なども全編視聴できるとあって、瞬く間に人気サイトにランクされるようになった。米調査会社コムスコアによると、今年4月の月間ユニークビジター数は3870万件。動画視聴ではヤフーやマイクロソフト(MSN)などを抜き、ユーチューブに次ぐサイトとして定着している。


オンライン・ビデオ視聴者の間で最も人気のあるコンテンツはテレビ番組。利用者の半数以上がテレビ番組が目的で動画サイトにアクセスしている。そして、視聴者の大半は若者。米調査会社アンダーソン・アナリティクス社が1000人の大学生を対象にした調査では、69%が「過去1週間にテレビ番組の全編を視聴したことがある」と答えている。同社によれば、オンライン・ビデオ視聴者の86%が18~24歳の若者。このような人気に触発されるかたちで、オンライン・ビデオ視聴が可能な携帯端末の売れ行きも好調に推移する模様。同携帯端末の今年の出荷台数1460万台は、2014年には8340万台に急増(eMarketer)するという。