オンライン配信有料化に明るい展望か


米消費者がテレビ番組のオンライン配信について、有料になっても構わないと考えていることが明らかになった。米国ではインターネット上のテレビ番組視聴が人気を博していて、すべてのネットワークがプライムタイムで放送されている人気番組を放送翌日にはネット配信している。番組にはテレビCM同様の動画広告が挿入されており、消費者には無料で提供されている。有料にすれば、消費者が背を向けてしまうとの判断からだが、今回の調査はそんな業界の常識を覆すような結果となった。


ボストンに本社を置く市場調査・コンサルティング会社「ストラテジー・アナリティックス」によると、消費者の多くが、インターネット上で配信されている音楽と同様、テレビ番組などが有料になっても視聴したいと考えていることが明らかになったという。同社は、景気後退にもかかわらず、2009年におけるインターネット上の動画コンテンツ売上高(世界市場)は38億㌦(約3610億円)に達すると推定。動画広告の売上高35億㌦(約3325億円)を超過する見通しだ。さらに、同社では有料サイトの利用回数の伸びが2012年までに無料サイトのものを越える勢いだという。

同社でデジタル・メディア調査を担当するマーチン・オルーソン氏はアドウィーク誌とのインタビューの中で、「広告主が不況の影響でオンライン広告費を削減している一方で、財布の紐が硬くなった消費者が手軽に楽しめるエンターテイメントとして動画視聴を利用しているようだ」と分析している。同氏によると、DVD宅配レンタル大手の米ネットフリックスが始めた有料オンライン配信やマイクロソフト社のXbox Live Video Store、あるいはケーブルテレビ(CATV)事業者が展開している有料オン・ディマンド・サービスなどの人気が上昇中だ。