ケーブル局のリアリティー番組が高視聴率


米テレビシーズンは5月20日をもって終了、夏季特別編成が始まった。新シーズンが始まる9月までの期間は夏休み休暇をとる家族が多く、テレビ視聴が低下するため、再放送番組や制作費が安価なリアリティー番組などが編成されるのが米テレビ界の通例となっている。そんな中、ケーブル局大手ディスカバリー・チャンネル傘下の家族向け専門局「TLC」が5月25日、リアリティー番組「ジョン&ケイト・プラス8」の新シリーズ初回分を放送、記録的な視聴率を獲得し話題を呼んでいる。


この日、同番組が獲得した視聴者数は980万人。同局がターゲットにしている視聴者層、18~49歳女性層の視聴者数も430万人と、開局以来最高の視聴数を獲得した。さらにケーブル局はもとより、地上波ネットワーク番組も抑え同日夜(プライムタイム)の視聴率ナンバーワン番組となる快挙を成し遂げた。


番組はペンシルベニア州に住むゴセリン一家の日常生活を追ったもの。ゴセリン家は8人の子供がいる大家族。番組はジョンさんとケイトさん夫妻に2006年、六つ子が生まれたことをきっかけに撮影が始まり、子育て奮闘記風になっている。前シリーズは最高視聴者数を獲得した最終回(3月23日放送)でさえ460万人程度で推移していた。

ところが前シリーズの終了後まもなく夫婦の危機説が浮上。タブロイド紙や週刊誌などが一斉に取り上げる騒動が巻き起こった。ジョンさんの不倫が露呈、番組中に妻に謝るらしいなどとした情報が広まると、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)大手「フェイスブック」や人気急上昇中のブログ・サイトなどで様々な議論が沸騰。新シリーズ放送前に関心度が一挙に高まっていた模様だ。他ネットワークからは、「番組宣伝が放送前に理想な形で展開したうらやましいケースだ」との声が上がる一方、「TLCは夫婦のプライバシーの部分を番組に利用している」などとする批判の声もあがっている。